トランジスタを使ってみよう

トランジスタについて知ろう

ここで使う道具

トランジスタ (transistor)

電流や電圧を「増幅」させる機能がある電子部品だよ
増幅機能を応用して「スイッチ」として使うことも多いよ

「半導体」という物質を使った電子部品を「半導体素子」(ソリッドステート・デバイス)というよ
トランジスタも半導体素子の1つだよ

いろいろな半導体素子があるよ

トランジスタにはいろいろな種類があるよ 一般に単に「トランジスタ」というと、バイポーラトランジスタを指すよ

バイポーラトランジスタ

バイポーラトランジスタは「N型」と「P型」という2種類の半導体を使ったトランジスタだよ。

N-P-N の接続構造(P型をN型で挟んだもの)を NPN型というよ
P-N-P の接続構造(N型をP型で挟んだもの)を PNP型というよ 2SC1815 と 2SA1015 は増幅率によって O, Y, GR, BL という種類があるよ

・2SC1815 のデータシート (2SC1815|バイポーラトランジスタ|東芝 セミコンダクター&ストレージ社)
・2SA1015 のデータシート (2SA1015|バイポーラトランジスタ|東芝 セミコンダクター&ストレージ社)


トランジスタには3つの端子があるよ

回路記号

NPN型
PNP型
端子と記号の関係
端子と記号の関係
真ん中がベース (B)、矢印のあるほうがエミッタ (E)、矢印のないほうがコレクタ (C) だよ

トランジスタの動作について

[あとで書く]

トランジスタの増幅作用

ベース (B) に流した電流の hFE 倍の電流がコレクタ (C) に流れるよ

コレクタ電流(IC)がベース電流(IB)の何倍になるかを直流電流増幅率(hFE)と呼ぶよ
NPN型の場合
PNP型の場合
エミッタ(E) に流れる電流(IE)はコレクタ電流(IC)とベース電流(IB)の和になるよ

スイッチング作用

ベース電流によってコレクタ電流を制御できるので、

ベース電流すごく小さい → コレクタ電流すごく小さい → OFF
ベース電流普通 → コレクタ電流大きい → ON

というように ON / OFF スイッチと見なして使うことができるよ
また、ベース・エミッタ間電圧(VBE)が順方向降下電圧(LEDを光らせるために LED で起こる電圧降下と同じもの)
より小さいとほとんどベース電流が流れないことを利用して

ベース・エミッタ間電圧 < 順方向降下電圧 → ベース電流すごく小さい → コレクタ電流すごく小さい → OFF
ベース・エミッタ間電圧 > 順方向降下電圧 → ベース電流普通 → コレクタ電流大きい → ON

のように使うこともあるよ バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の順方向降下電圧はだいたい 0.6 〜 0.7V だよ

ブザーを使ってみよう

ブザーは発信器が内蔵されたスピーカーだよ
極性があるから付ける方向に気をつけてね
+ マークのあるほうを電池の + 側につなげるよ ブザーの回路記号 抵抗と直列に接続して音を鳴らしてみよう 抵抗にかかる電圧を測ろう だいたい 2V だね
ということは、抵抗とブザーに流れる電流は 2V / 10kΩ = 0.2mA だよ

抵抗を 1kΩ にして、抵抗にかかる電圧を測ってみよう だいたい 0.9V だから電流は 0.9V / 1kΩ = 0.9mA だね 10kΩのときより電流が大きいね
ブザーの音も大きくなっているかな?



抵抗を 100kΩ にしてみよう 100kΩだと鳴らなかったよね
このときブザーに流れる電流は 2.5V / 100kΩ = 0.025mA = 25μA だね ブザーを鳴らすには電流が小さすぎるね

トランジスタの増幅作用を体験しよう

テスターで自分の抵抗値を測ってみよう だいたい 1.5MΩ (1500kΩ)くらいになるね

指を少し湿らせて測ってみよう だいたい数百kΩ になるね

こうしたらブザーは鳴るかな? 100kΩ のときの抵抗にかかる電圧(2.5V)で計算してみよう
抵抗 = 人 にかかる電圧が 2.5V だから、 2.5V / 1.5MΩ = 1.7μA = 0.0017mA しか電流がブザーに流れないよ
0.025mA で鳴らなかったから、0.0017mA ではブザーは鳴らないね 人の体は抵抗が大きいから、右手から左手に流れる電流はとても小さいんだ

この小さい電流をトランジスタのベース電流としてコレクタ電流を制御すれば、
コレクタ電流でブザーを鳴らすことができるよ 人を介する部分はわに口クリップを使ってね 右手と左手でわに口クリップをつかんだら音がなったかな?

このとき両手にかかる電圧は
3V - 0.6V(ベース・エミッタ間の順方向降下電圧) = 2.4V
だよ
(厳密にはベース電流によってベース・エミッタ間の順方向降下電圧が変わるからだいたいの値だよ)


これを体の抵抗値で割るとベース電流になるから
ベース電流は IB = 2.4V / 1.5MΩ = 1.6μA だよ 直流電流増幅率 はトランジスタの種類によって異なるけど、ここでは 2SC1815 の Y (詳しくは 2SC1815 のデータシートを見てね)を使っているから
直流電流増幅率 hFE = 200 として計算すると
コレクタ電流は IC = hFE x IB = 200 * 1.6μA = 320μA = 0.32mA
だよ

ブザーと 1kΩ の抵抗の直列回路では、回路に流れる電流は 0.9mA だったね
ということは、この回路ではコレクタ電流として最大 0.9mA の電流を流すことができるということだよ

ここではベース電流によって決まるコレクタ電流の方が最大値よりも小さいから、ブザーには 0.3mA が流れるよ
この電流値ならブザーは鳴るね!


指を少し湿らせて試してみよう
音が大きくなったかな?

このときのベース電流は、体の抵抗を 600kΩ とすると 2.4V / 600kΩ = 4μA だよ
コレクタ電流は IC = hFE x IB = 200 * 4μA = 800μA = 0.8mA
になるね


ベース電流が 数μA 大きくなることによって、コレクタ電流が 数mA 大きくなる(数μAの変化が数mAの変化に増幅される)ので
ブザーの音が大きくなるよ

やってみよう

ブザーの代わりに LED にしてみよう
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